NAO鍼灸院

美容鍼について

美容鍼とは?

東洋医学では、体の健康をなくして美容は実現できないという考え「健美(けんび)」があり、体表の皮膚面だけの美しさを追求する西洋医学的な考え方とは大きく異なります。

「皮膚は内臓の鏡」「皮膚は第三の脳」とも呼ばれるように、皮膚組織は体内の健康を顕著に表すほか、精神的な健康具合による自律神経機能の変化に非常に敏感な組織です。鍼灸治療を行うことにより心身から健康な状態を実現し、その結果そういった心身の健康状態を表す皮膚組織を健全な状態にするような機序を用いるため、短期間の治療では美容効果は現れにくいですが、反面その効果は非常に持続するとされる。世界保健機構 (WHO) でも鍼灸治療による美容効果を認めています。

最近では多くの国で美容鍼治療が行われており、特にアメリカでは薬や外科的な治療以外での健康意識の高まりがあり、代替治療として美容目的での鍼治療の人気は非常に高まってきています。中国ではごく一般的に病院内で美容鍼灸科があるほどで、特別なものとしても認識されてはいません。

 顔の美容法には、化粧品を使ったり、エステなどでマッサージや機器を用いた施術もありますが、美容鍼はそれらのアプローチでは届かない深い階層にあるリンパやツボを鍼によって直接刺激することで、凝った顔の表情筋を柔らかくします。

お肌と美容鍼の機序

美容鍼の施術は、お肌にどのような効果があるのでしょうか?
皮膚の3つの構造(表皮・真皮・皮下組織)のなかでも、スキンケアに関して鍼灸でアプローチする表皮と真皮についてご紹介します(図1参照)。

①表皮
身体の保護作用があり、お肌に必要な潤いを保持してくれます。
加齢によってターンオーバー(お肌の新陳代謝)が遅くなったり、乱れが生じると
表皮に中に古い皮膚が溜まります。
ニキビ、しみ、クマ、ほいれい線などのお肌の悩みの多くは、このターンオーバーのサイクルの乱れが原因です。
ターンオーバーの周期はおよそ28日と言われています。28というのは実は20代!
年齢によりターンオーバーの周期は変わります。実際は、
ターンオーバーの周期=自分の年齢+8
が自分のターンオーバーの周期です。

②真皮
表皮の下にあり、クッションのようにお肌の弾力を保つ役割があります。
真皮には、お肌の弾力を保つために、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンという成分が存在しています。特にコラーゲンの減少は、たるみ、しわ、ほうれい線といった
お肌の代表的な悩みに直結する成分です。

このようなお肌に対して、美容鍼が与える影響は下記の通りです。
1、鍼を刺して真皮や皮下組織を刺激する刺激する
2、サイトカインという細胞から分泌されるタンパク質が活性化する
3、タンパク質やリンパが流れ出して、血流やリンパの流れが良くなる
 ⇩ 
4、コラーゲンやエラスチンの代謝が活性化される
5、細胞組織が新たに生まれ変わって、お肌に潤い・弾力・ハリが蘇る

 このように美容鍼は、顔に鍼施術を行い、皮下組織を刺激することによって血流が良くなり、栄養や老廃物の循環が円滑になります。
また、顔に目には見えない細かいキズを作ることで、そのキズを修復しようと細胞の活動が活発になり、コラーゲンやエラスチンといった成分が活発に産生されるようになり、肌の新陳代謝が促進されます。
これにより、肌に弾力やハリが生まれる・・・というものです。
図1

美容鍼の効果

基本的に心身の健康な状態を治療主眼としているため、全ての症状に対して有効です。例えば肌荒れや皺(しわ)、たるみ、くすみ、むくみ(浮腫)、目のくま、肥満、脱毛、顔色の改善、ニキビ、蕁麻疹、アトピーなどです。
ただし、精神的ストレスによる情動の変化が主な原因の症状に対して、鍼灸治療は体の健康を介しての間接的な効果は期待できるものの、直接的な自律神経機能への効果としては弱いので、心からリラックスできる環境で治療を受けることが重要です。

効果が持続する期間
 初回の施術は3、4日~1週間くらい、長ければ2週間程度維持できる場合もあります。
効果が維持できる期間は年齢やお肌の状態によりますが、平均して複数回の施術で効果が長持ち、定着してくるようです。
7~10回になってくると、3~4週間は何もしなくてもお肌の調子が良い状態が続くと感じる方が多くなってくるようです。
ベストな通い方で施術を継続すると、お肌の見た目年齢が5~10歳若返りを実感できるようになります。

美容鍼で改善できる症状
①小顔効果
顔が大きくなる原因には表情筋のむくみやコリがあります。むくみが原因の場合は、コリよりも早く効果が出やすいです。
コリの場合には、美容鍼で顔の筋肉を緩めて小顔に近づけることができます。

②ほうれい線・小ジワ・たるみ
美容鍼で顔全体のリフトアップをすることで、ほうれい線やフェイスラインのたるみ、シワの改善が期待できます。
リストアップは1回の美容鍼で実感しやすい施術です。

③目の下のクマ
目の下のクマには、3種類があります。
・青クマ:ストレスや疲労が原因で、血液の滞りや酸素不足で血管が目の下に溜まる
・黒クマ:老化などの目の下がたるむことで影となる
・茶クマ:化粧の残りや角質が厚くなることで目の下が茶色くくすむ
このなかでも疲労や目の酷使によるため美容鍼のアプローチで効果が出やすいです。

④美白効果
美容鍼は肌の血流を改善して、健康肌を作ることを目的としています。
そのため、美容鍼の施術によって血行改善して顔色が明るくなり、お肌の色味が上がるためシミ・そばかす・くすみを目立ちにくくする効果もあります。

⑤体調・体質改善
顔は身体のなかでも特に皮膚が繊細で、内臓機能の不調やストレスが現れやすい場所です。美容鍼は、倦怠感や免疫低下、冷え性などの症状にも効果的です。
体質改善には時間がかかるので、継続的に施術していくがおすすめです。

  美容鍼の施術は、顔だけに鍼を打つのではなく、腕や足、頭にも打つ場合があります。
体全体にアプローチすることによって根本的な解決に繋げることで、身体全体の体質改善にも寄与します!

施術の流れ

1.クレンジング・洗顔
まず、当院にありますメイク落としで、洗顔していただきます。施術後にご予定があり、お化粧を取りたくない方はお化粧したままの施術も可能です。

2.カウンセリング

施術前に店舗にて、カウンセリングをさせて頂き、お客様の体質・肌質を診させて頂きます。改善したい事、お悩みの事などお気軽にお話ください。

2.美容鍼灸の施術
 肌に鍼を刺すことで皮膚に微細な傷ができ、それを修復しようと、お肌のハリや弾力の源である繊維芽細胞が増殖します。それにより、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などの増産も期待でき、ハリや弾力のみならず、潤いのある肌へ導く事が出来ます。また、お肌の血流を促し、ターンオーバーを正常化させることでシミやクスミの改善も期待できます。

効果を持続させるためには

効果を持続させるためには身体を冷やさないのが基本です!
美容鍼の刺激によって引き起こされる身体の反応は、傷の修復などもともと人間が自然に行っていることです。本来なら自然に行われていたことでありながら、ストレスや加齢などによって機能が衰えたため、鍼の刺激によって呼び起こしていると考えるとわかりやすいかもしれません。また、美容鍼の施術は基本的に鍼を刺した部分だけでなく身体全体に及ぶと考えられます。東洋医学の考えでは、健康も美容も根底が同じですから、美しさを持続させるためには健康な状態を保つことが不可欠です。
美容鍼は、血流や自然治癒力を高め、ホルモンバランスや自律神経のバランスを整える形で本来の美しさを引き出す治療です。ですから、美容鍼の効果を長く持続しようとするなら、全身を健康に保つということが重要になるのです。たとえば、身体を冷やさないようにし、胃腸に負担をかけない消化の良い食べ物を摂るように注意することも、美容鍼の効果を持続させるためには役立ちます。温かい食べ物や身体を温める効果のある食材を摂れば、全身をよい状態に保てるため、美容鍼の持続時間も長くなると考えられます。運動不足も血流を悪くする原因のひとつですから、適度な運動をすることも血流促進のためには有効です。

美容鍼のQ&A

Q:内出血をすることはありますか?

A:健康な状態であれば血管の壁に弾力があるため、刺鍼をしたときに血管がよけることもありますが、血液が滞っていたり、栄養が十分に取れていなかったりすると、血管が鍼を避けきれずに内出血してしまうことがあります。

顔面部は細かい血管が非常に多い部位であるので、鍼治療による内出血の可能性もあり、ごくまれに小さいアザが残ることがありますが、そのまま放置しておけば数日で元の何もなかった状態に戻ります。出血自体は東洋医学的にはプラスの効果があり、不要な汚い血を外に出す(瀉血(しゃけつ)をする)ことは、新たな血液造成につながるとし皮膚組織の活性化・新陳代謝に効果的であるとしています。
内出血は長い間痕が残ってしまうことはありません。また、美容鍼ではお顔の目立つところを避けて刺鍼することもできます。

Q:鍼治療のあとにだるくなってしまうことはありますか?

A:鍼治療の施術後に身体がだるくなったり、眠気や熱っぽさを感じるたりすることがあります。
これを「好転反応」といいますが、鍼治療で血行が良くなったことにより、溜まっていた老廃物質が身体をめぐることによって起こる症状です。
体内の老廃物質が身体の外に排出されれば体調は楽になります。もし好転反応が起こった場合には、たっぷり水分をとって安静にするとよいでしょう。

Q:美容鍼の効果は限定的?持続時間の目安は?

A:同じ美容鍼の施術をしても、深いシワと細かいシワとでは効果を感じる時間が異なりますし、刺激に対する反応には個人差もあります。また、ニキビや肌荒れに対する効果とリフトアップとでは、鍼を刺すことによって起こす反応も異なるため、効果を感じる持続時間も違ってきます。もともとの症状の度合いや鍼を打つ位置によっても効果の持続時間が異なるため一概には言えませんが、期待される効果ごとのおよその持続期間は次の通りです。
・リフトアップ…約2日
・ニキビ・肌荒れ…約2週間~3週間
・目の下のクマ…約1週間

リフトアップを期待しても2日だけしか持たないと聞くと、受けても意味がないと思う人もいるでしょう。しかし、これは初めて美容鍼をしたときの持続期間です。美容鍼は定期的に繰り返すことで効果を実感できる時間が長くなるという特徴があります。なぜなら、美容鍼が皮下組織を刺激できるのは鍼を刺している間だけですが、その刺激によって引き起こされた反応はその後も続くからです。コラーゲンやエラスチンの産生量の増加や、血流の促進は長時間続くわけではありませんが、それによって肌のターンオーバーが正常化したり、保湿力が高まったりすれば、持続時間も徐々に長くなっていくと考えられます。

Q:通う頻度はどのくらいが最適ですか?

A:せっかく施術を受けて効果が実感できても、それが続かないともったいないですよね。
初めて施術を受けられる方は、最初の月は1~2週間に一度を目安に通って、効果が定着してきたら鍼灸師と相談しながら徐々に間隔を空けていくことをおススメします。

Q.美容鍼に使う鍼の太さはどのくらいですか?

A:当院使われている鍼の太さは、直径0.10mm~0.16mm程度の細い鍼です。
ちなみに、鍼の太さによって施術の効果が高まるかというと、そういうわけではありません。
美容鍼の効果は、適切な場所に適切な刺激を与える診断力と技術力に左右されるものです。そのため、細い鍼でも効果を十分に得ることができるのです。

Q.何本くらい鍼を打つのですか?

A:その方一人一人の美容のお悩みと症状によって、その都度鍼を打つ場所や本数を決めています。そのため、一概に必ず何本打つとは決まっていませんが、お顔に平均30~50本程度です。
また、鍼の数が多いほど効果が高まるということでもありませんので「効果を出すために鍼を多く打って欲しい」と思われる方は、本数が多くなることでの痛みや内出血のリスクも高くなりますので、ご相談することをお勧めします。

Q.生理中でも受けられますか?

A:美容鍼は生理中でも受けることが出来ます。身体への施術によって生理中の不快な症状が緩和される効果があります。
そのため、生理中の場合は鍼灸師にその旨を伝えて、ホルモンバランスや血流を改善する施術をしてもらい、今出ている痛みや症状を緩和することもできます。
 また、美容鍼には生理不順や月経痛・PMSのお悩みを改善し、出にくい体質にすることができますので、そのような症状がある場合は、ぜひご相談ください。

Q:美容鍼では、メイクを落として行った方がいいですか?

A:施術前に、メイクを落としていただく必要がございます。当院にてメイク落としをご用意しておりますので、メイクをしたままご来院頂きましても問題ございません。また、施術後にご予定があり、お化粧を取りたくない方はお化粧したままの施術も可能です。

Q:着替えは持参した方が良いですか?

A:お着替えは当院にてご用意しております。

まとめ

美容鍼の効果は、それほど長いものではありません。
しかし、定期的に受け続けることで、徐々に効果を実感できる時間が長くなっていくのが一般的です。それは、美容鍼が人間の自然治癒力に働きかける施術であり、自律神経やホルモンのバランスを整えることで本来の状態に戻していく治療だからです。本来持っている力を引き出す手伝いをしてくれるのが美容鍼ですから、身体が本来の力を取り戻せばその分効果は長続きすると考えるとよいでしょう。

CONTACT

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